知識社会で活躍しよう
「知識科学って何?」「知識科学研究科って何を学ぶの? 」 という疑問を解決するために読みました。とりあえず、自分の中で重要と思ったことを下記にメモとしてピックアップしておきます。
買って読んだんだけど、その後説明会に行ったら貰えました…。
知識科学とは何か?
- 「知とは何か」という哲学的考究を常に背景として持ちつつ、「知はいかにして創造されるのか」、「知はいかにして活用されるのか」という二つの根源的な問いかけに対する解を見出すこと
- 知への哲学的な考究から始まり、現実世界での実践知による価値創造に至る、すべての「知」にまつわるプロセスの解明と応用・実践を対象とする学問分野
- 人の特徴あるいは営みを科学的・学問的に研究し、より有効な知識創造・価値創造の方法を探ろうという学問が知識科学
- 知識科学とは、実践における知識共創により学術知を進化させること、学術知と実践の価値共創により実践の場における価値を拡大していくことを継続して行う「運動」であり、実践、知識共創、学術知、価値共創のスパイラル
既存の学問には問題設定を行う一定の”型”がある
- 社会科学:WHYで始まる問題設定
我々の社会がなぜそうなっているのかに関心がある - システム科学:WHATで始まる問題設定
我々の現在の仕組みのに関心がある - メディア科学:HOWで始まる問題設定
我々の社会を作り替えることに関心がある
暗黙知:言い表すことはできないが知っていることがら
例)自転車の乗り方のような身体的な知識、職人が経験によって身につけた知識、いつもはっきりと意識されていない常識やノウハウ
形式知:言語やデータ、数式などで明示的に表すことができる知識
この暗黙知と形式知が、共同化(Socialization)、表出化(Externalization)、連結化(Combination)、内面化(Internalization)という四つのプロセスにより、組織の中で相互に変換されていくことにより知識が生み出されていくという考え方をSECIモデルという。
知識科学への3つのアプローチ
- 知識ベースのマネジメント論
「知識とは何か?」という知識の本質を理解し、知識が価値創造の源泉であることを認識して、「知識に基づく経営、マネジメント」の理論を構築し実践するアプローチ
知識を「人が関係性の中で作る資源」であるとし、知識創造を「個人の主観的な想い・信念や価値観が、社会や環境との相互作用を通じて正当化され客観的な真実になるプロセス」と定義して、こうした考え方をイノベーションの本質と捉える - 知識の創造・共有・活用のプロセス論
人間や組織が、知識の創造・共有・活用をどのように行っているのかのプロセスを分析し、知識に関する活動プロセスをモデル化しようとするアプローチ - 知識創造活動支援技術
知識創造活動を支援するというアプローチ
グループワーク、KJ法、データマイニングなどのIT技術やメディア技術、人や組織を観察するエスノグラフィーなどの文化人類学の方法論など
知識科学は、上述の3つのアプローチをいかに融合して体系化して、知識の創造・共有・活用という活動を人間にとって実りのあるものにできるかを追求する学問
すなわち、知識科学において探求されていることは、「知ることを知ること」「知識というものを科学的に捉えること」である。
「知ることを知ること」は哲学では認識論(エピステモロジー)という分野で古くから探求されてきました。それは「知識とはなにか」「人はいったい何を知り得るのか」という問いを追求するものです。したがって、当然ながら知識科学のルーツはこの認識論に求められます。知識科学では、より実証的・実践的に知識に関する探求を進めるため、「人間や組織、社会の中で、知識はいかに創造・共有・活用されるのか」や「いかにサポート、マネージ、デザインできるか」という問い方を重視している。
知識科学の知識メディア領域と情報科学の違い